先述第11章によると、第1座標系においてみるみると収縮する円軌道を周回する光子のエネルギーは、無限に増大する過程を現わすのであるが、他方、その円軌道が収縮するなどの変化をしているのは電子ではなく、円盤状の空間のほうこそが拡張し変化しているとする第2座標系においては、その円軌道は一定に固定され、個々の光子のエネルギーも電子全体の質量も有限にして一定の値となる。
すなわち再度述べると、本来プラス無限大の電子のエネルギーを一定の有限値に置き換えるべく、マイナス無限大の働きをなすのがこの円盤状に拡がっていく拡張場に他ならず、この場合の第2座標系において立ち現れる拡張場とは、電子のエネルギーを有限値に保全し、常に一定な値に維持するように働いている場であるといえる
一方、前々述の13章によれば、電子が速度vで運動するとき、その螺旋軌道を運動する個々の光子の波長はγ倍で長くなる。ということは、その光子のエネルギー(hν)は1/γ倍で減少していることになり、つまり、その電子のエネルギーは、速度が大きければ大きいほど1/γ倍で減少していることになる。
ならばそこで、電子が速度vで運動しその内的エネルギーが減少したとき、電子のエネルギーを一定な値に維持すべく働いているはずの拡張場は、はたしてどのようになっているのであろうか。
これは、たとえば光子の円運動が、右図のように進行方向正面からみて右回り※であるとすると、その右回りに運動する光子のエネルギーが減少したのであるから、対する拡張場は左回りの回転を行うことによって、そのエネルギーの減少を補うものと考えられるのである。
※{進行方向正面からみて右回りということは、進行方向へは左回りの回転(左ネジ回転)をしていることになる。}
なぜなら、第2座標系において現れる拡場場とは、電子のエネルギーを常に一定な値に維持するように働いている場なのであるから、電子が第2座標系においてさらに速度vで運動を行い、その右回りの光子のエネルギーが減少したというのであれば、拡張場は左回りの回転(右ネジ回転)を行うことによってその減少分を補い、結果的にその電子全体のエネルギーを一定な値に維持させているものと考えられるからである。
したがって、第2座標系において電子が静止状態にあるときには、拡張場は無限の彼方まで拡がっているはずであるが、電子がひとたび運動を始めるとその拡張場は左回りに回転を起こすことになる。
この場合に、拡張場は無限の彼方にまで拡がっているのであるから、回転する拡張場の中心点からの距離がより遠ければ遠いほど、その一点における円運動の速度(ⓥ=rω)もより大きくなり、無限の彼方では無限大の速度になっていることになる。しかし、光速度Cを超える距離に展開される拡張場は、たとえそこに存在するとしてもこれを実際に観測することは不可能であるから、この回転する拡張場の半径rは、常に光速度Cを超えない範囲内に制限されているものと考えられる。
ということは、右図2x2yの二次元面に展開される拡張場の広がりの大きさは、拡張場の回転の速さ、すなわち角速度が大きいほどより小さくなるのであるから、この角速度ωと拡張場の半径rは逆比例するが、電子の速度vと角速度ωは比例するということになり、つまり、電子の周囲に展開する拡張場は、速度vが大きければ大きいほどより速く回転するが、その広がり(半径r)は下図のようにより小さくなる。
そうすると、これらの運動する電子と回転する拡張場の関係は、電流を流した導線の周囲に形成される磁場の様相にまったく酷似するものといえるし、もとより、この拡張場とは電子がその周囲に分布させている電場のことに他ならないのであるから、この電場の回転こそは磁気力の元始となるものであって、すなわち、磁場の起源は運動する電子の周囲に展開する拡張場(電場)の回転そのものにある、と考えることができる。
また前章によれば、速度vで運動する電子はγ倍で進行方向(右図z軸方向)へ拡張する。ちなみに、その横幅が1cmと仮定された電子の長さは、秒速29万㎞(v1)では約4cmに、秒速29,7万㎞(v2)では約7cmに、秒速29,999万㎞では約122,47cmに拡張する。
{ただしC=30万㎞/s}
この場合に、電子が進行方向に拡張するというのであれば、回転する拡張場もやはり電子本体を包み込むように拡張しているはずであるから、その進行方向の長さは速度vに比例してより長くなるが、拡張場の半径rは速度vに反比例して収縮し、かつその回転における角速度ωは速度vに比例してより大きくなるということになる。
電子が速度ゼロで静止状態にあるとき、拡張場の角速度ωもゼロでありそこにはいかなる回転はない。他方、この静止状態における電子内の個々の光子は、その極めて小さな電子半径reの円軌道を光速度Cで周回運動しているのであるから、その単位時間あたりの回転数(周回の回数)は
〔C/2πre〕といった非常に大きな値となり、仮に電子の古典半径(約2,818×10-15m)で計算したとすると、静止状態における光子の回転数は毎秒約16952×1018回となる。
そこで、たとえば速度ゼロで静止状態にある電子内の個々の光子が、その円軌道を1秒間に10周しているものと(仮定)すると、それら複数光子の全体である一電子は1秒間に10回の回転(自転)をしていることになる。しかしこれが、たとえば秒速18万㎞で運動した場合には、その電子本体の右回りの回転数は0,8倍の8回に減少しているはずである。
なぜならば、前14章で述べたように、電子が速度vで運動するとき、その時空間密度は1/γ倍で減少し、個々の光子が三次元螺旋軌道を運動するときの1秒なら1秒という時間の進み方も1/γ倍で遅くなるからであり、電子が秒速18万㎞で運動するときの回転回数も、やはり1/γ倍(0,8倍)に減少しているはずである。
一方、この場合の右回り電子の回転数の減少分は、拡張場の左回りの回転がこれを補うのであるから、拡張場はその減少分に等しい2回の回転を行っていることになり、電子と拡張場それぞれの回転数の和は常に一定になるように、逆比例で推移していることになる。そうすると、電子の速度がゼロのときは拡張場の回転数もゼロであり、このときの電子本体の回転数は最大の10回なのであるから、ひるがえってこれが光速度Cで運動する場合には、拡張場の回転数が最大の10回で電子本体の回転数はゼロであるということになる。
したがって、静止状態にある電子の角振動数ω〔rad/s〕(回転数をfとするとω=f×2π)は最大値であるが、これが光速度のときにはゼロとなり、また静止状態の拡張場の角振動数はゼロであるが、光速度のときには最大値になるということができ、つまり、電子の持つ右回転の角振動数ω㊨の減少分は、そのまま拡張場の左回転の角振動数ω㊧として現れるということができる。
また、この場合の拡張場の広がりであるが、これは先に述べたように速度vに反比例するのであるから、電子が静止状態にあるときには無限の彼方にまで拡がっているが、光速度のときには電子と同一の極限の大きさにまで収縮している(拡張場が電子よりも収縮することはあり得ない)ものと考えられ、すなわち、拡張場の半径rは静止状態にあっては無限大であるが、ひるがえって光速度Cの場合は、電子半径reと同一の長さにまで収縮していることになる。
そうすると、電子が静止状態にあるとき、拡張場の角振動数はゼロであるがその広がりは最大(無限大)であり、ひるがえって光速度Cのときの角振動数は最大であるがその広がりは最小(この場合はゼロとはいえない)なのであるから、拡張場の角振動数ω㊧と拡張場の半径rの関係についても、これは逆比例の関係であるということができる。
そして、この拡張場の角振動数ω㊧と半径rの逆比例な関係においては、円周上の任意な一点(右図ポイントb)がその円軌道を周回するときの速度(rω)は常に光速度Cなのであって、逆に言えばそのポイントbの速度が常に不変な光速度Cになるように、角振動数ω㊧と半径rの値が逆比例で推移する関係
r ∝ 1/ω㊧
∴ r × ω㊧ =C
になっている、ともいい得る。
ところで量子論によれば、電子は粒子でもあれば波動でもある。しかし、広大な空間を時間経過とともに拡がっていく波動と、空間の一隅に局在する粒子とでは、この二者を具体的な描像をもって統合することは不可能である。
ちなみに、物質波を唱えたド・ブロイも、当初は無数の波の束としての電子像を想定し、群速度vgで変位する波束が電子の粒子的描像をもたらすとして、その一切を波動だけで説明しようとしたのである。
ところがこの波束としての電子像は、原子内に拘束されない自由電子を考える場合には甚だしく不都合であって、たとえば速度ゼロで静止状態にある電子の波束はごく短時間で拡散してしまうことになり、結局、それが静止すれば雲散霧消してしまうようなものが電子である、などとは到底考えられない。
そこでさらにド・ブロイが考えたのが、粒子である電子に付随する波動を想定し、この場合の電子の粒子性と波動性をそれぞれ別のものとして分けて考えたのである。しかし、粒子としての電子そのものとは切り離された、いわゆるパイロット波と言われるこの波動は、真空中を運動する自由電子についても常に付随しているのであるから、これがはたしてどのような物理的過程を経て出現しているものであるのか、その正体(本性)についてはまったく不明であった。
したがって、このパイロット波を持つ粒子としての電子像も、まったく根本的な問題をかかえていることになり、やはり電子の持つ波動性と粒子性の両方を、いかなる矛盾をともなわず合理的に統合することは不可能だったのである。
ならばそこで、この互いに矛盾する波動性と粒子性を一つに統合することが不可能であるならば、その波動性は粒子としての電子そのものから切り離して考えねばならない。
たとえば、電子の波動性は電子本体のその周囲に展開される拡張場(電場)の回転によるものであるとするならば、そこには波動そのものが粒子でもあるというような矛盾は一切現れず、しかもその波動の所以なり本性なりはパイロット波のように不可解なものではなく、まったく明解である。
ちなみに、ド・ブロイの電子波におけるその波長λは
λ=h/P
=h/mv
と表わされ、これは速度vがより大きければ大きいほどより短くなる。
一方、本論における回転する拡張場の半径rおよびその円周の長さ(2πr)も、これは速度vがより大きいほどより短くなる。ということは、この場合の拡張場の円周の長さをⓁとすると、Ⓛの増減は速度vおよび運動量の増減に反比例し、つまり円周の長さⓁの値がより小さければ小さいほど運動量はより大きくなり、逆にⓁがより大きければ大きいほど運動量はより小さくなる。
すると、上記のド・ブロイ波長の式はそのまま拡張場の円周の長さⓁについても当てはまることになり、すなわち上式は
Ⓛ=h/P
=h/mv
とも書き直すことができ、ゆえに
P=h/ λ
=h/Ⓛ
でもあるということになる。
したがって、いずれにしてもド・ブロイの電子波におけるその波長λと拡張場の円周の長さⓁはまったく同一に考えてよいということになり、むしろド・ブロイ波長λの正体とは回転する拡張場の円周の長さⓁのことに他ならず、当初ド・ブロイが主張したパイロット波とは、拡張場が回転することによって現れる波動現象のことに他ならないものと考えることができる。
そして、この場合の電子の波動性とは、粒子としての電子そのものが持つのではなく、あくまでも電子本体の周囲に展開する拡張場が持つものと考えられるのである。
さて、本章冒頭で述べたように、第11章では第1座標系において無限に収縮する電子と、第2座標系において無限に拡がっていく拡張場の相対的関係について述べた。また、前章では電子が速度vで運動する場合に、観測者が固定されているS系と、電子が固定されているS´系の両座標系における時空間密度の相対的関係について述べ、さらに本章においては、運動する電子の角振動数ω㊨と、拡張場の角振動数ω㊧の逆比例な増減関係、およびその拡張場とド・ブロイ波長との同一性などについて述べた。
そこで、これら電子に関する一連の相対的関係、および上記の逆比例関係を、順を追って整理すると次のようになる。
まず11章で述べたように、複数光子が第1座標系において円運動を行うと、個々の光子の波長は無限にみるみると収縮し、準じてそれら複数光子の全体である一電子の大きさも無限に小さくなっていくが、その固有のエネルギーは無限に大きくなっていく。
一方、第2座標系においては電子の大きさと質量は一定であるが、この場合には電子の中心から発せられる拡張場(電場)が無限の彼方にまで拡がっていくことになり、第1座標系における電子の固有エネルギーをプラス無限大とするならば、対する第2座標系における拡張場は、そのプラス無限大を打ち消すマイナス無限大のエネルギーを持つといってよい。
次に第14章における運動する電子の時空間密度であるが、これは速度vで運動する電子の進行方向の長さはγ倍で長くなり、その時間の進み方もγ倍で長くなるのであるから、逆にその空間と時間の密度は1/γ倍で減少していることになる。そして運動する電子の時空間密度が1/γ倍で減少しているということは、電子内の個々の円運動光子のhνなるエネルギーも1/γ倍で減少していることを意味し、つまり運動する電子の内的なエネルギーは速度vが大きければ大きいほど1/γ倍で減少していることになる。
しかし続く本章によれば、運動する電子の内的なエネルギーの減少分は、運動する電子の周囲に形成された拡張場の回転がこれを補うことになり、そこに現れる角振動数ω㊧は、回転する拡張場の持つエネルギー〔ℏω㊧〕(拡張場の左回りの角振動数ωとh/2πの積)に比例し、その増大分は右回転する電子のエネルギー〔ℏω㊨〕の減少分に等しいということができる。
すなわち、電子が第2座標系(ないしはS座標系)において運動を行うと、その拡張場と電子本体の進行方向の長さは速度vが大きいほどより長くなるが、拡張場の広がり(半径r)は速度vが大きいほどより小さくなり、かつその拡張場はより速く回転し角振動数ω㊧はより大きくなる。
一方、運動する電子内の個々の光子の波長は速度vが大きいほどより長くなるが、回転する拡張場の角振動数ω㊧はより大きくなるのであるから、運動する電子の内的エネルギー〔ℏω㊨〕はその速度vが大きいほどより減少するが、代わって回転する拡張場の持つエネルギー〔ℏω㊧〕は速度vが大きいほどより増大することになる。
そうすると、結果的に、運動する電子の内的エネルギーの減少分、すなわちその電子を構成するところの個々の光子のエネルギーの減少分は、これを取り巻く回転拡張場のエネルギーの増大分として現れているということができ、電子はそれが静止状態にある場合にはいかなる波動性を現わさないが、これが運動するときにはその速度に比例した角振動数の波動を、回転する拡張場が現わしているということができる。
したがって、回転する拡張場の角振動数ω㊧は、電子の速度vが大きいほど増大し、仮に電子の速度が光速度Cに至った場合には、静止状態にあるときの電子が持つ内的エネルギーのすべてがそこに現れてくることになり、この場合の電子は、まったく純粋な波動としての姿になっている、ということができる。
下図のように、y軸上を下から上に向かう磁束密度Bの一様な磁場があるものとして、そこへ一個の電子がy軸に対して垂直に速度vで打ち込まれたとしよう。すると電子は、その速度vの方向に対して常に垂直に作用するローレンツ力により、右下図xzの平面において等速円運動を行うことになる。
※{本論においては、負電荷としての電子が進行する方向と電流の流れる方向はあくまでも同一である。この場合に、上図においては従来の電子の方向と電流の方向を逆方向とする「フレミングの左手法則」等々には、一切関わらないないものとする。}
この場合に、ローレンツ力F(=qvB)は電子に対して仕事をせず、したがってその円運動における運動エネルギーも速度vも一切変化しない。ならばそこで、電子の方向だけは変え得るが他にはなんらの仕事をなしえないこのローレンツ力Fとは、具体的にどのような原因と仕組みによって生じているのであろうか。
上記における従来の電子は単なる点電荷として扱われているのであるが、本論における電子は有限な広がりと構造を持ち、これが速度vで運動した場合は、その速度vに反比例する半径の回転拡張場を持っている。
すると、右図においてz軸上を奥から手前に向かって運動しようとする電子の左回転(進行方向へは右ネジ回転)の拡張場は、その右端部分では下から上へと向かう磁場の方向と一致するが左端部分では互いに逆方向となる。したがって、磁束密度Bのベクトルは、左回転する拡張場の右側部分ではその回転を助長する向きにあるが、左側部分ではその回転に逆らう向きにあるということになる。
そうすると、回転拡張場の右側には、そのω㊧なる角振動数を増長させようとする力が働き、左側には減少させようとする力が働いていることになる。しかし一つの回転拡張場全体としては、左右に働く二つの力は相殺され、結局この回転拡張場がもつ角振動数(ω㊧)はあくまで不変であるものと考えられる。
ところがここで、電子が直進しようとするときの速度vがより大きければ大きいほど、この回転拡張場が単位時間あたりに通過する磁束線の数もより多くなるのであるから、回転拡張場の右側部分においては、そのω㊧なる回転を助長しようとするベクトルを持つ磁束線がその速度vの大きさに比例する数だけ存在し、一方の左側部分においては、ω㊧なる回転に逆らうベクトルをもつ磁束線が、やはりその速度vに比例する数だけ存在していることになる。
ということは、回転拡張場の左側部分は、自らの回転に逆らうところの磁束線の中を進み、右側部分は、自らの回転を助長しようとするところの磁束線の中を進むのであるから、左側部分にはその直進運動に対して抵抗しようとする力が働き、一方の右側部分にはその直進運動を助長しようとする力が働いているものと考えることができる。
したがって、上記のようないかなる磁場の中を、回転拡張場をもついかなる電子が直進しようとする際には、結果的に、その電子には速度vの進行方向に対して常に垂直に(この場合は左側に)働く一定の力が生じていることになり、その際に描かれる軌道はやはり一定の円軌道となる。
第2座標系において不変な大きさの電子が静止して在るとき、その拡張場は円軌道の中心点から始まるのであるから、この場合の円運動光子の半径は、本来の長さよりもわずかに拡張しているものと考えることができる。すると、その拡張が単なる見かけ上のものであったとしても、光子状態の電磁波が伝播するその円軌道がわずかに拡張しているというのであれば、その波長もわずかに拡張し同時に振動数もわずかに減少して、ひいては、その光子のエネルギーも見かけ上でわずかに減少していることになる。
したがってこの場合の拡張場は、その光子のエネルギーの減少した分を補うために、わずかに回転していることになり、結果的に電子が第2座標系において静止している場合(速度がゼロである場合)でも、そのわずかに回転している拡張場の見かけ上で現れる力のモーメントは、本来のものとは異なる補正値として加算されるものと考えることができる。
また本章では、電子が進行方向に対して垂直の場合(つまり光子が三次元螺旋軌道をとる場合)の拡張場の様子を述べたのであるが、他方電子が進行方向に対して水平の場合(つまり光子が二次元螺旋軌道をとる場合)の拡張場については、次のように述べることができる。
すなわち、右図のような二次元螺旋軌道の場合、その波長は軌道上の各位置によってことごとく異なっており、ちなみに速度vが秒速10万㎞の場合、R点における波長は4/3倍に拡張し、N点においては2/3倍に収縮する。
そうするとこの場合の拡張場は、R点においてはその光子のエネルギーの減少分を補うために左回りの回転をしなくてはならないのであるが、N点では光子のエネルギーは逆に増大しているのであるから、拡張場がその増大分を相殺するには、光子の回転方向と同じ右回りの回転をしなくてはならない。
あるいは、電子が水平に運動することもあり得るとするならば、それは非常に不安定で、ごく短時間で解消される特異な状態にあるものと考えねばならない。